2016.08.08

治具があると無いでは大違い?厚物UVプリンターユーザー必見の「治具講座」

厚物UVプリンターの登場で、一気に重要性が高まったもの。それが「治具」です。オーダーグッズを扱う業者なら聞きなれた言葉のはずですが、中には知らない人もいるはず。そこで今回のコラムでは、オーダーグッズでの「治具」の役割と特徴を紹介します。

ボールペンやゴルフボール、波打った商材へのプリントに欠かせない冶具

「治具」の本来の意味は、「加工物を工作機械に正しく取り付け、均一に加工するための道具。工事現場では、工作機械に加工物を取り付ける用具一般をさす」(広辞林)とあります。しかし、厚物プリント業者やレーザー加工業者が呼ぶ「治具」とは、主にレーザー加工や厚物プリントを効率よく、正確におこなうために用いられることがほとんどです。その理由は、レーザー加工機、厚物プリンターが原点(X0、Y0)からヘッドをX、Yの方向に動かすから。
インクジェットプリンターのように、給紙して紙送りする場合、紙を位置決めする必要もないので、原点の概念がありません。しかし、厚物プリンターやレーザー加工機のようにヘッドが動く場合は、原点からX方向に○○㎜、Y方向に○○㎜、ヘッドを動かしてプリントする、という考え方になります。つまり、加工したい商材を、テーブル上のどこに設置するかを決めなければなりません。それを補助してくれるのが「治具」なのです。
熟練したレーザー加工機ユーザーなら、アクリル板をレーザー加工して治具を自作する場合もありますが、初心者には難しい作業と言えるでしょう。そのため治具作りを諦めて、試しプリント(レーザーの場合は低出力でのマーキング)でプリント位置のアタリを確認して、その場所に加工対象物を設置してからプリント(レーザー加工)する業者もたくさんあります。
一見、その方法でも問題ないように思えますが、加工対象物がペンや鉛筆のような円柱状の場合は、転がらないようにするためにも、やはり治具が必要になってきます。他にも、ゴルフボール、ビニールなど表面が波打っている素材等、特殊な形状や素材にプリントやレーザー加工するには、治具は必須と言えるでしょう。※紹介している治具は全てオーダーメイドプリンター治具専門サイト『ジグメイクドットコム』(http://www.jigmake.com/)のもの。

手帳タイプスマホカバー用の治具

手帳タイプスマホカバー用の治具

ゴルフボール用の治具

ゴルフボール用の治具

治具を使う2大理由とは

厚物プリント業者が治具を使う理由は、大別して2つあります。1つ目は、プリントできない形状の素材にプリントできるようにするため。2つ目は、プリントの効率を上げて、生産性をアップさせるためです。
「プリントできない形状」とは、前出の転がりやすいペンやゴルフボールなど。これらを固定するために治具を使います。
2つ目の「プリント効率を上げるため」の治具とは、素早く大量に商材を配置できる治具、商材の形状が微妙にばらついていても、均一に配置してプリントできる治具のことです。治具ひとつで人件費が大幅に削減できることもあるようです。
治具の素材はABS樹脂やアルミ、ステンレスなど様々な素材があります。厚物プリント業者の場合、シビアな寸法が求められる時にはABS樹脂を使う場合が多いようです。また、スマホカバーなどを設置する場合は、アクリルだと商材にキズをつけてしまう恐れがあるため、ABS樹脂を選ぶようです。治具には後処理も重要です。用途に応じてテフロン加工やアルマイト加工を行ってくれる業者もいるようです。ちなみに、テフロン加工した治具なら、インクがパリパリに固まらず、薄いゴムのようになるので、キレイに剥がすことができるんです。塗り足ししてプリントするクセのある業者は喉から手が出るほど欲しいはず。

テフロン加工した治具

テフロン加工した治具

現在、人気の治具はスマホカバー、ゴルフボール、ボールペン、鉛筆名入れ用。ある程度まとまったプリントを行うなら、治具は必須です。生産性はもちろん、仕上がりも良くなります。治具を良く知ることで、高品質、生産性の高い厚物プリントビジネスができるようになるはずです。

厚物UVプリンターに関連する記事

2016年8月8日
厚物UVプリンター 治具があると無いでは大違い?厚物UVプリンターユーザー必見の「治具講座」
2015年10月14日
厚物UVプリンター スマホカバーはもちろん、プラスチックや革に直接印刷できる厚物UVプリンターとは