スタンプラリーのルーツ!?御朱印をもらう時のルールとは

スタンプラリーといえば、道の駅やイベント会場などで子供から大人まで夢中になれる身近なハンコ文化ですが、その最古と言えば御朱印でしょう。

ただハンコをもらうだけではなかった？
写経し、奉納した証の「納経印」

御朱印集めは老若男女に人気で、収集を兼ねて観光に訪れるコレクターもいるほど。しかし、もともとは寺院で写経し、それを奉納した証として授与されるものでした。今でも寺院で御朱印を「納経印」、御朱印帳を「納経帳」と呼ぶのはそうしたルーツがあるからで、単なるスタンプラリー用の記念スタンプとは違う重みが感じられます。
御朱印の始まりは明確にされていませんが、「決定版御朱印入門」（淡交社）によると「近世に社寺参詣を目的とした旅が普及して以降のこと」とあります。
社寺参詣が観光の旅と結びつき、一般参拝者が増加するようになると、御朱印本来の意味が忘れられ、経を納めなくても単 に参拝した証として御朱印が授与されるようになりました。そして明治以降、庶民の社寺参詣が著しく増加し、こうした慣習が神社にも影響を与え、寺院と同様に神社でも御朱印を出すようになったと考えられています。
戦前でも西国三十三所巡礼や四国遍路、全国の天皇陵を巡拝して御朱印を収集することは広く行われていましたが、戦後になるとそのブームが加速します。西国巡礼や四国遍路が新しい旅のスタイルとして定着し、巡礼による御朱印収集は大流行していったのです。

 

旅の記念と共に コレクター欲をくすぐる御朱印

左　伊勢神宮の御朱印。 神社の御朱印はやや簡素な印象。
右　大阪の観心寺の御朱印。 寺院の御朱印は華々しいものが多い。

現在は心の癒しを求める若者を中心に社寺参詣が広まりましたが、その背景には「御朱印収集の目的が大きい」と同書は分析しています。 「社寺を参拝し終えた証となる御朱印は、単なる旅の思い出や記録に留まらず、巡礼者達に達成感を改めて体感させる」。御朱印収集の文化が、新たな巡礼の旅へと若者を誘うきっかけになっているのかもしれません。
御朱印にまつわる基礎知識も調べてみました。
御朱印の「デザイン」は社寺によって様々あります。一般的なパターンとして、寺院の場合は右上・中央・左下の３ヶ所に、神社の場合は１〜２ヶ所に御朱印が捺されることが多いようです。加えて、墨書で社寺名、参拝日、札所などが書かれます。
御朱印は通常、御朱印帳という専用の帳面にもらうのが一般的。屏風折りの体裁で表紙の左上に名前を書くスペース（題箋）が設けられています。紙質やページ数、サイズは異なりますが、価格は１０００円前後。社寺や文具店、仏具店、観光地の土産物売場などで販売されています。

 

作法に則って御朱印をいただこう

御朱印をもらう作法は、
①手水場で手を清める。
②本堂（本殿）にお参りする。
③御朱印所に向かう。窓口で御朱印帳を出し、捺してほしい場所を示してお願いする。
料金は３００円と定めている所が多く、社寺によっては「お気持ちをお納めください」と表記されている場合も。なお、浄土真宗の寺院では宗教上の理由から基本的に御朱印を行っていません（参拝記念として御朱印に相当する印を提供する寺院もあります）。
流行の御朱印集めにまつわる雑学として、覚えておくといいですね。

 

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