2018.06.20

改正・種の保存法に関するQ&A

象のイメージ画像

6月1日、「改正・種の保存法」(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)が施行されました。

「種の保存法」は平成5年(1993年)、野生動植物が自然環境の重要な一部として人類の豊かな生活に欠かすことのできないものであると考え、絶滅のおそれのあるそれらの種の保存を図り、良好な自然環境を保全することを目的に制定されました。平成7年(1995年)には象牙取引に関する項目を追加した改正法を制定。象牙扱い業者はその法の下、象牙や象牙製品の「届出」をおこなってきました。

しかし今年6月1日に施行された改正・種の保存法により、従来の届出制から「登録制」へと変更されました。象牙取引に関して最も大きな抜本的改正となるだけに、象牙を扱う業者は改正法について正しく理解を深める必要があります。下記にQ&Aを参考に、改正された種の保存法についての理解を深めてください。

※経済産業省・環境省がまとめたQ&Aを基に、月刊現代印章編集部が再構成しました

 

個人・法人の手続きについて

Q 個⼈事業主として登録をおこなっているが、法⼈としての経営を変更するに際して⼿続きは必要か。

A 個⼈事業主の登録は、当該登録をおこなった個⼈事業主のものであるため、特別国際種事業の廃⽌届を提出し、法⼈として新規登録の申請が必要(登録免許税9万円+新規手数料3万3500円)。法人から個人事業主に変更する場合も同様の申請が要る。

Q 個⼈事業主として特別国際種事業者の登録を受けていた⽗が亡くなった。後継者である⼦息等が当該登録を引き継げるか。

A 当該登録をおこなった個⼈事業主のものであるため、そのまま引き継ぐことはできない。後継者は、新たに特別国際種事業者の新規登録の申請が必要となる(登録免許税9万円+新規手数料3万3500円)。

Q 法⼈として登録を受けているが、後継者に代表を交代する際に⼿続きは必要か。

A 法⼈の代表者に変更が⽣じた場合は、特別国際種事業の変更届出をする必要がある。なお、変更届出は代表者に変更があった⽇から起算して、30⽇を経過するまでの間におこなうこと。

Q 有限会社を株式会社に変更する予定だが、⼿続きは必要か。

A 登録内容の変更が⽣じた場合、特別国際種事業の変更届出をする必要がある。登録内容に変更があった⽇から起算して、30⽇を経過するまでの間におこなうこと。合名会社や合資会社などの変更も同様。

登録について

Q 今後、象⽛製品を扱う可能性がある場合は事業登録が必要か。その場合、現在象牙の在庫がゼロでも登録できる?

A 象⽛製品等を扱うのであれば、あらかじめ事業の新規登録が必要。現在、象牙の在庫がなくても登録可能。

Q 店では象⽛製品は扱っていないが、個⼈で象⽛製品を所有している。この場合、登録は必要か。

A 象⽛製品の譲渡や引渡しの業務を伴う事業であれば登録が必要だが、個⼈として所有しているだけであれば登録は不要。

Q 三味線や掛け軸の軸先等の製品の⼀部で象⽛を使⽤しており、年間取扱量はわずかで象⽛使⽤量も少ないが、その場合でも登録の対象になるのか。

A 事業者が取り扱う品物の種類、数量、事業規模等による区別を設けていないため、事業をおこなっているなら登録が必要。

Q 象⽛印章の販売はせず、顧客からの象⽛印章の彫り直し(改刻)の仕事を依頼されるだけの場合でも、登録は必要か。

A 事業の形態が象⽛製品の販売でなくとも、象⽛製品の引き渡し等を伴う事業に該当することから、事業登録が必要となる。

Q 登録は特別国際種事業をおこなう施設(支店等)ごとに必要?

A 事業者ごとに登録をおこなう必要があり、支店ごとの登録は不要。なお、店の新設や廃⽌等の変更が⽣じた場合は、変更届出をしなくてはならない。

登録の更新について

Q 登録更新期限までに更新⼿続きを忘れてしまった場合、特別国際種事業の登録はどうなる?

A 更新期限を過ぎた場合は⾃動的に失効となるので、原則、新規登録が必要(更新期限は事前に通知がある)。

Q 登録更新を失念して事業者登録簿から抹消された場合、在庫の処理はどうすればよいか。

A 登録が抹消された状態で譲渡や引渡しをすると法令違反となるので、新規の登録申請が必要。事業を継続しない場合は、個⼈の所有物として⾃⼰保有するか、廃棄する。なお廃業による在庫処分の場合は、登録期間内に処分しなくても構わない。

Q 平成11年3⽉17⽇以前に届け出している特定国際種事業者だが、更新申請受付期間内に登録更新を受けた場合の次の登録の有効期間の開始⽇はいつになるか。

A 更新⽇がいつであっても、次の登録の有効期間の開始⽇は平成31年12⽉1⽇となる。このため、例えば、更新期⽇直前に更新申請し、審査期間中に登録の有効期間を過ぎた場合であっても、審査を踏まえて登録されれば、平成31年12⽉1⽇が登録の有効期間の開始⽇となる。なお、更新期⽇直前の更新は法律上は問題ないが、審査期間もあるため、早めの更新⼿続きを心掛けて欲しい。

登録簿について

Q 個⼈事業主として個⼈名で登録をしているが、個人住所の公表は控えて欲しい。

A 特別国際種事業者の個人住所は法律に基づく公表事項なので必要となる。

 

象のイメージ画像

陳列・広告について

Q 広告中に「象⽛」という⾔葉は使っていないが、「登録番号」等の表⽰は必要?

A 特別国際種事業者としての事業に関する象⽛製品を取り扱う旨の広告であれば、表⽰が必要。その際、「象⽛」という⾔葉を使わない場合でも、象⽛製品の写真や同義の⾔葉(アイボリー等)を使⽤していれば、表⽰の必要がある。

Q 改正法施⾏前に配布済みのカタログやチラシには番号表⽰をしていないが、これも施⾏後は違反となる?

A 改正法施⾏前に印刷したものについても、改正法施⾏後に配布をおこなう場合は、表⽰義務が課せられる。なお、明確に発⾏時期が分かる印刷物でその時期が改正法施⾏前であるもの(例:「2017年秋号」等の表⽰)は問題ない。

Q ネット販売で、象⽛製品のバナー表⽰の中にも必要事項の表⽰が要るか。

A 象⽛製品を販売していると認められる内容の広告であれば、必要事項の表⽰が必要。

Q 陳列・広告時の表⽰で、「登録をした者の⽒名又は名称」を屋号で表⽰してもよいか。

A 登録時の名称を使⽤しなければならない。従って、個⼈事業主の登録の場合は登録者の⽒名、法⼈の場合は法⼈の正式名称を表⽰する必要がある。なお、個⼈事業主が法定事項に加えて屋号を表⽰することを制限するものではない。

Q 象⽛製品を取り扱う特定国際種事業者として複数の支店を持ち、支店ごとに届出をおこなっている場合、陳列・広告時の表⽰事項である「登録番号」、「特別国際種事業者の⽒名又は名称」および「特別国際種事業者の住所」等は、どのように表⽰したらよいか。

A 複数店舗で届出している業者は、支店ごとに表示事項を掲げること(この場合、「登録番号」や「登録の有効期間の満了の⽇」は支店ごとに異なる可能性があるが、問題ない)。なお、複数店舗で事業をおこなう業者は、初回の登録更新時に登録番号を1つに統合する予定。登録更新後は店舗を問わず統⼀した表⽰に移行する。

Q 特定国際種事業者の際に配布されていた届出ステッカーのようなものは配布されないか。

A 改正法では「特別国際種事業者が表⽰しなければならない」とされているので、改正法の施⾏後、届出ステッカーにあたるものの送付はない。表⽰事項を記載した紙等を事業者⾃⾝で作成する必要がある(今後、経済産業省や環境省のホームページに参考様式をアップする予定)。

取引記録について

Q 象⽛製品の取り扱いは事業者ごとの登録制になったが、店舗ごとに取引を記録せずに、本社⼀括で管理をおこなうことで問題はない?

A 本社において⼀括して管理することは問題ないが、その場合であっても、店舗ごとに法定事項を書類に記録し、保存しなければならない。

Q 同⼀事業者の店舗間で象⽛製品の移し替えをおこなった場合、その移し替えについて取引を記録する必要があるか。

A 同⼀事業者の店舗間の象⽛製品の移し替えについても記録が必要。

Q 特別国際種事業者が象⽛を廃棄処分したい場合は?

A 処分の⽅法については、種の保存法での規制はないので、⾃治体のルールに従い処分して構わない。ただし廃棄の旨はきちんと記録し、在庫管理を適切におこなうこと。全形を保持した象⽛であって登録票の交付を受けたものについては、事後30⽇以内に登録票の返納が必要。

Q 取引記録の様式(記載台帳)が扱いにくい。

A 記載事項を満たしていれば、事業者が独⾃に扱いやすい様式を作成しても構わない。また、経済産業省や環境省では、全ての象⽛等事業者⽤の新しい統⼀様式を公表する予定(既存様式、新様式、自身で作成した様式のどれを使ってもよい)。

標章について

Q 象牙製品への標章(認定シール)添付は任意と聞いているが、標章が無くても販売できる?

A 標章は任意事項であるため、添付がなくても販売は可能。

管理票について

Q 管理票は最終製品にも付けなければいけないのか。

A 重量が1㎏以上かつ、最⼤⼨法が20㎝以上の象⽛製品を新たに得た場合、管理票の作成・保存が必要。ここでいう、象⽛製品は、カットピース、半製品、最終製品を問わない。なお、当該重量または⼤きさ未満の象⽛製品(印材等)の管理票作成は任意となる。

海外取引について

Q 象⽛製品の訪⽇旅⾏者への販売は禁⽌か?

A ゾウは絶滅のおそれのある野⽣動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)の附属書Ⅰに掲載されており、個体や部分、派⽣物(象⽛製品等)は、外国為替及び外国貿易法(以下、外為法という)において、輸出⼊が原則禁⽌されている。

種の保存法では、象⽛製品の訪⽇旅⾏者への販売が禁⽌されていないが、例えば訪⽇旅⾏者は海外に象牙製品を持ち出す可能性が⾼く、外為法に基づく必要な⼿続きを取らずに象⽛製品を⺟国へ持ち帰ると外為法違反になる。このため、象⽛製品販売者は購⼊者に象⽛の輸出⼊が原則禁⽌であることを注意喚起する必要がある。

Q 海外に⾏くときに、⾃分の名前の象⽛印章を持ち込むことはできない?

A 携⾏品輸出の特例があるので、税関での⼿続きをすれば可能。ただし、渡航先の国内法によっては「持ち込み不可」という場合もあるので、要確認。

その他

Q 象⽛の真贋の鑑定をする機関はあるか。

A 公的な鑑定機関は特にない。全形⽛の登録機関である⼀般財団法⼈⾃然環境研究センターでも鑑定はしていない。

Q 象の革製品についても登録が必要?

A 象の革は特定器官等に指定されているが、事業規制の対象外となり登録は不要。

Q 小売店の組合などがイベントで象牙製品を販売する場合、組合としての登録が必要か。

A 組合の名前でイベントをおこない商品を売買するなら、組合としての登録申請をしなければいけない。組合が主催するイベント内で、他の事業者が間借りして象牙製品を販売する場合、その事業者の名で届出を出す必要がある。

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