2015.10.14

スマホカバーはもちろん、プラスチックや革に直接印刷できる厚物UVプリンターとは

厚物UVプリンターってどんな機械?

厚物UVプリンターとは、その名の通り、厚みのある素材にプリントできる機械です。通常のプリンターでは紙など薄いものにしかプリントできませんが、厚物UVプリンターはヘッドとテーブル(プリントしたい素材を置く場所)の間に大きな隙間があり、インクを遠くまで飛ばすことができるので、ゴルフボールやボールペンなど曲面にもプリントすることができます。また、厚みのある素材にもプリントできることで、スマホのカバープリントにも利用されています。

厚物UVの「UV」とは、紫外線で硬化するインク(UVインク)のこと。UVインクをプリント後、機械内で紫外線ランプを照射してすぐにインクを硬化させるため、通常ならプリントの難しい、様々な素材に対応しています。従来はこの紫外線ランプが熱をもつため、熱に弱い素材にはプリントできませんでしたが、UVランプをLEDにしたことで熱が発生せず、よりプリントできる素材の幅が広がりました。

ミマキエンジニアリングのUJF-3042

ミマキエンジニアリングのUJF-3042

ローランド ディー.ジー.のLEF-20

ローランド ディー.ジー.のLEF-20

ミマキのUJF-3042がきっかけ

厚物プリンターそのものは以前からありましたが、爆発的に普及するようになったのは、2010年にミマキエンジニアリングが発売した「UJF-3042」がきっかけです。それまでの厚物UVプリンターは大型で1000万円を超える機種がほとんどでしたが、「UJF-3042」は約300万円という低価格と、卓上に置けるほど小型化を実現。それまで導入を躊躇していた業者から支持を受け、ヒット商品になりました。

これを追うように他のメーカーも小型の厚物UVプリンターを発売しています。先駆者のミマキエンジニアリングは、「UJF-3042」を改良して、「UJF-3042FX」や「UJF-3042HG」を発売したほか、ワイドサイズにプリントできる「UJF-6042」、「UJF-7151plus」を発売しています。

ローランド ディー.ジー.はカバー付きの厚物UVプリンター「LEF-12」と「LEF-20」を発売。武藤工業からは「VJ-426UF」が発売されています。倉敷紡績は、クロアチアのAZON社から「AZON UV Q/QL」や「AZON dts White」を輸入して販売。光文堂は「KBD compressHS」、「KBD TEXTUR 3D HS」を発売しています。

様々な厚物UVプリンターがありますが、多くは厚さ50~150㎜までの素材に対応しています。インクの種類も様々で、CMYKの4色に加え、ホワイトインク、クリア(透明)インクを搭載している機種が多いのも特徴です。一度のプリントで厚盛印刷が可能だったり、前処理剤をプリントできたり、インクの柔軟性が高かったりと、機種やインクによって特徴があるので、見比べてみると面白いでしょう。

厚物UVプリンターについてもっと詳しく知りたい方は、OGBSマガジンVol.37をご覧ください。

ogbs37

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