ニッチな市場だからこそ「リッチ」になれる？　オーダーグッズ・ＯＧＢＳとは

オーダーグッズとは、ハンコ、スタンプ、ハガキ、名刺、Tシャツ、レーザー加工品、看板、合いカギ、スマホカバー、バックタグ、表札、メモリアルグッズなどの総称です。商品を仕入れて、ただ右から左へと販売するのではなく、店頭で受注し、それを加工してからお客さまに渡す。そうしたオーダーメイド、オリジナルで作る商品が「オーダーグッズ」です。そして、そのオーダーグッズを扱う店は、「オーダーグッズビジネスショップ【略称・OGBS）」と呼ばれています。ＯＧＢＳという名称を使っていなくても、こうした多種多様な加工商材を扱うショップは増加しつつあります。

様々なオーダーグッズを扱う理由は？

消費者の立場で考えると、１つのショップが様々なオーダーグッズを扱うようになった理由がわかります。例えば、。引っ越しをしてきた新しい街で、まずはじめにすること。家の合いカギを作り、表札を作り、住所ゴム印を作り、転居ハガキを印刷する……これまではそのために４つの店に注文と受け取りの最低８回は足を運ばなければなりませんでした。それがＯＧＢＳなら一つの店で済むのです。覚え切れていない住所を何度も注文伝票に書かされなくとも、１枚のショップカードを提示するだけで済みます。そういった「お客が店に二度来る商材」を集めた総合加工ショップがＯＧＢＳなのです。ＯＧＢＳになることで、消費者の手間が減り、利便性が向上することだけでなく、店側にとってもこれまで取り逃がしていた注文を受注でき、さらにはリピート注文も期待できるようになります。 ＯＧＢＳの特徴はいわば「ニッチでリッチ」。隙間ビジネスでありながら利益率が高い。さらに、

・利益率が高いため客数に汲々としない。
・コンビニ、スーパーなどの大手企業と競合しない。
・消費者にとっても利便性が高い。

といった中小商店にマッチした性質を持っています。そんな新しいスタイルのショップを、あなたの店の未来の姿と重ね合わせて見てください。

ＯＧＢＳはドラッグストアのように

誤解しないでいただきたいのは、ＯＧＢＳを始めるからと言って、「現在の店をいったん廃業する」ことにはなりません。現在の店を核として少しずつ「進化させる」と考えてください。
例えば、医薬品だけを売る「薬屋さん」の姿は街から姿を消しつつあります。代わって勢力を伸ばしているのが、洗剤や化粧品、日用雑貨、健康食品まで扱う「ドラッグストア（ＤＳ）」。これは、マツモトキヨシのような大手チェーンの登場だけが原因ではありません。町の薬屋さんが自らＤＳ化していったため、ＤＳに取って代わられたように見えるだけ。つまり、ＯＧＢＳは新規ビジネスの旗揚げではないのです。

ＯＧＢＳは商品の多角化

商店経営者が今後の進路を考える時、その行く先は大まかに４つあります。
１、市場深耕……既存の製品やサービスを既存の市場（顧客）に提供する。
２、商品多角化……新しい製品やサービスを既存市場（顧客）に提供する。
３、市場開拓……既存の製品やサービスを新しい市場（顧客）に提供する。
４、開拓＆多角化……新しい製品やサービスを新市場（顧客）に提供する。
ＯＧＢＳは２の商品多角化に当てはまり、今までの顧客に新しい商品を売るだけなのです。
そのためにＯＧＢＳには設備投資のリスクがつきまといます。スタンプやメモリアルグッズを製造するレーザー彫刻機や厚物ＵＶプリンター、オンデマンド印刷機などは１台３００万円以上かかることもあります。それらを最初から全て購入するのは賢明ではありません。
自店の立地や客層、元の商売との相乗効果などを考えて、売れそうな商材をチョイスしましょう。最初から製造設備を購入せず、外注で様子をみる。そして設備を入れても採算が合うかどうかを見極めてから内製化する。それが成功すれば、それを原資に次の新しい商材に挑戦する……そういった堅実なプロセスを踏まなければ、投資で首が回らなくなるのが目に見えています。
また、ＯＧＢＳの店づくりで重要なのは扱い商品の明示。店の内外両方に、扱い商品を分かりやすく掲示しておきましょう。
特に店外にはのぼりや看板、垂れ幕などを使って商品をＰＲすること。例えば「はんこ」「名刺印刷」「合いカギ」、といった一般的な商品から「Ｔシャツプリントやっています」「木札彫刻はじめました」「ペットの名刺１枚からつくります」といった具体的なアピールが必要になります。

オーダーグッズ・OGBSについて詳しく知りたい方は、OGBSマガジンをご覧ください。