ガーメントプリンターを使うなら必須の知識、前処理剤の正しい塗り方３種類

前処理剤とガーメントプリンターは、切っても切れない関係です。その名の通り、プリントする「前」にボディに塗る液体で、濃色綿ボディに白インクをプリントする時やポリエステル生地に必要です。前処理が不要な白綿ボディにプリントする場合でも、発色を良くしたい時に使う人もいます。ところで、前処理剤には様々な種類があり、塗り方が大きく３つある事をご存知でしょうか？　ガーメントプリンターユーザーなら必ず頭に入れておきたい基礎知識をご紹介します。

なぜ前処理するのか、その効果とは

前処理剤はメーカーによって、「アンダーコート」、「ベースコート」、「下処理剤」と呼び方が違います。
プリント前にボディに前処理剤を塗布するのには理由があります。それは、ボディ表面に「インク受理層」を作り出すことです。その上にインクが乗ることで、鮮やかに発色します。他にもインクの滲みを抑える効果もあります。生地によって前処理剤の要不要が違ってきます。前処理剤には淡色綿用、濃色綿用、淡色ポリ用などの種類があります。
前処理剤はガーメントプリンターのメーカーから販売されている純正品を使うのが一般的ですが、ディーラーや前処理剤メーカー製もあります。使い勝手や仕上がりは自分の目で見て確かめるしかありません。前処理剤は各ガーメントプリンターメーカーのインクに合わせて作られている場合が多いので、購入時にはどの機種に対応しているのか、チェックを忘れずに。

前処理剤の正しい塗り方とコツ

前処理剤の塗布（塗工）方法は、大きく３つに分けられる。
①ローラーによる手塗り
②噴霧による手塗り
③機械による噴霧

①は前処理剤をローラーに付け、それをボディの上に転がして塗る。ワンポイントに塗布できるので、前処理剤が無駄になりません。ローラー塗布は意外に難しく、均一に塗るには熟練を要します。ある程度の力が必要なので、プリント枚数が多いと女性スタッフには辛い仕事と言えます。

②は霧吹きに入れた前処理剤をボディに吹きかける方法。ローラーよりも簡単ですが、慣れない人がやるとムラができやすいのが難点です。ムラになるとインクの乗りが変わってくるので、仕上がりが悪くなります。

①、②の手法どちらも、ボディが濃色であれば前処理剤が均一に塗れているかわかりやすいのですが、淡色ボディでは見えにくいので注意が必要です。

③は機械が噴霧してくれるので仕上がりは均一になります。作業効率も上がるので、まとまった枚数を頻繁にプリントするなら自動前処理剤塗布機の導入を検討するといいでしょう。ちなみに、コーニット社のガーメントプリンターは機械内部でプリントする箇所にピンポイントで前処理剤を塗布してくれるので、自分で前処理する必要はありません。

閑散期にまとめて前処理剤を塗布して、繁忙期にプリントだけしたいと考えがちですが、塗布後、時間が経ち過ぎると前処理剤が黄ばむ場合もあるので、仕事を受けてから塗布する方が安心です。
前処理剤の効果と塗布方法を理解して、自分の店にマッチした手法を取り入れましょう。