誰でも簡単に判別できる？水晶とガラス、象牙とマンモス牙の見分け方

食品の成分分析やDNA鑑定など、本物を見極める鑑定をおこなったニュースを耳にします。ハンコ屋さんが扱う素材にも、一目では見分けにくいものがありますが、今回は、専門の機械がなくても見分ける方法をご紹介します。

水晶とガラスの見分け方

 

水晶とガラス。一見しただけでは見分けが付きにくいですね。手に入れた水晶玉が本物かどうか知りたいと思っている方はいませんか？　そこで、水晶とガラスを判別する簡単な方法をいくつか紹介しましょう。

①冷たさで判断する
目の前に水晶とガラスがある場合、手にとって冷たく感じる方が水晶です。これは、水晶とガラスでは熱伝導率が違うから。熱伝導率とは熱の伝わりやすさを示し、数字が大きい方が熱をより伝えることを示します。水晶の熱伝導率は5.4〜9.3、ガラスは0.55〜0.75。水晶は体温を素早く逃がすので、触ると冷たく感じます。一方、ガラスは温度を伝えにくく、温まると冷めにくいという性質があります。

②見え方で判断する
水晶玉、ガラス玉、それぞれを通して景色を見た時にも違いが分かります。ガラスは全体的に平板に見え、像もゆがんで見えるのに対し、水晶では玉の内部に奥行きが感じられ、光が中心に集まるように見えます。
また、水晶の大きさが10㎝以上あれば、水晶の下に１本の線を引いた紙を置くことで判別可能です。

これは、水晶が持つ複屈折性を利用した鑑定方法。光が水晶を通過する際、複数方向に光が拡散するので、水晶玉の下にある１本の線が２本に見えるのです。対してガラスは単屈折性なので、線は１本にしか見えません。自分が持っているものが水晶かどうか判別する時はいろんな角度から見てみましょう。それでも１本しか線が見えなければ、それは残念ながら水晶ではありません。
ただし、この方法は水晶やガラスが大きい場合に限ります。小さな対象物だと屈折を見極めることが難しいからです。

象牙とマンモスの牙の見分け方

永久凍土から掘り出された、稀少価値のあるマンモス牙。象牙と並ぶ高級印材で、見た目は象牙とそっくり。どうやって見分けるのでしょうか。
どちらも牙なので識別は難しいのですが、環境省が発行している「象牙とマンモス牙・識別マニュアル」には、２つの識別方法が紹介されています。

①紫外線を当てて見分ける
マンモス牙にはビビアンナイトという燐酸塩鉱物が含まれている場合があり、紫外線を当てると濃青色や緑青色に見えることがあります。特にブラックライトなどの長波紫外線を当てると、その部分が紫色に際立って見えますが、象牙ではビビアンナイトによる発色はみられません。これによって象牙とマンモス牙を識別できます。ただし照射角度や周囲の明るさ、検体の部位などの条件で蛍光色が観察されない場合もあります。

②シュレーゲル角を測って見分ける

シュレーゲル角とは、牙の表面にある細い線が交差した菱形模様の角度のこと。この角度は種によって異なるため、象牙とマンモス牙の識別のヒントになります。象牙のシュレーゲル角は115度以上の鈍角で、マンモス牙の場合は90度以下の鋭角。印材に直接分度器をあてるか、デジカメで撮影し拡大プリントして角度を測ればすぐに分かります。
ただし、個体や牙の部位によってはシュレーゲル角が両種の間の90～115度を示すものもあるので、あくまでも角度は指標値として扱うのが望ましいでしょう。また象牙は、牙の内側になるにつれマンモス牙の外側と酷似してきます。つまり象牙の芯持ちなら、マンモス牙と間違えてしまう可能性もあります。
その他にも、放射性炭素年代測定法、ＤＮＡ分析、蛍光Ｘ線分析、安定同位体分析など様々な識別方法がありますが、素人には難しいものばかりです。まずは①と②で試してみましょう。

象牙や水晶の見分け方や、ハンコの豆の知識について詳しく知りたい方は、
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