今年のハンコ「歳の印」は八冠達成の藤井聡太さん

全国の有力印章業者の経営者団体である全国印章業経営者協会（略称：JS 会／代表幹事：小林彰男）は、2023 年を振りかえって一番印象の深かった出来事を絵柄として彫刻したハンコ『歳の印』を製作し、12 月14 日に発表した。今年の「歳の印」の絵柄はプロ棋士の藤井聡太さん。10月11日に「王座戦」に勝利して将棋界で史上初となる八大タイトル制覇を達成したことで日本中で話題になった。

■ハンコが将棋盤に！押したときに美しいデザイン

この絵柄は一般公募で選ばれた前孝子さんの作品。将棋盤を背景に藤井聡太さんの似顔絵と「八冠」「全冠制覇」の文字が組み合わされている。
審査員長を務めたJS会の小林代表幹事はこの作品を選んだ理由について、
「2023年はコロナ禍から明けて活動的な世の中が戻った年でもあった。そこでできるだけ明るい話題やテーマが相応しいと思い、藤井聡太さんの八冠達成の作品を選んだ。藤井さんをモチーフにしたものは他にも多くあったが、この作品は『ハンコらしさ』という点で優れていて、印面や押印した際の美しさで最優秀賞に選びました。正方形の印面を将棋盤に見立てたところも秀逸です」。最優秀賞に選ばれた前氏の作品には賞金10万円と副賞が贈られる。

 

■佳作にはWBC優勝、物価高、アレ、さようならマスク

今年の「歳の印」のイラストは一般募集で集まった作品から選ばれた（公募期間は９月20日～11月10日まで、公募ガイドONLINEなどで告知）。
応募点数は249点で過去最高。11月14日に東京・品川にてＪＳ会員による審査会が実施され、最優秀賞１点と佳作５点が選ばれた。佳作に選ばれたのは以下の５作品。
小林審査員長は今回の歳の印について、
「今年から新型コロナが５類感染症に引き下げられ、スポーツやイベントなどが再開されましたが、それに伴って作品テーマの幅も広がった。テーマとして多かったのはＷＢＣの侍ジャパンの優勝、阪神タイガースの日本一、ウクライナ侵攻、異常気象、物価高をテーマにしたものです。ハンコのアイデアが広がって、新しい可能性を感じることができたと思います」。

■『 歳の印 』とは ～ ハンコは便利で楽しい日本の文化です

『歳の印』は日本の文化である印章（ハンコ）で世 相を表現しようと、JＳ会が毎年おこなっている取り組み。これまでも「大化」から「令和」まで２４８全ての元号（５０６文字）を９㎝角の角印に完全手彫りしたり（2019）、アベノマスク（2020）や東京オリンピック2020大会（2021）などをモチーフにしたハンコを製作してきた。同会では、数年後にこの印影（ハンコを捺したもの）を振り返ったとき、「そうそう、これって 2023 年の出来事だった」「あの年 の絵柄はコレだったよね」と『歳の印』がその年のシンボルマークの ように記憶されることを願っているそうだ。