2017.12.26

象牙業者の登録手数料3万3500円? 環境省がパブコメ募集中

届出が厳しい「登録」に、2018年6月1日(予定)

昨年6月2日に公布された「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律」(以下、改正法)の施行が2018年6月1日(予定)に迫っています。これまで象牙製品等の国内取引をおこなうために必要だった「届出」が「登録」になり、違反した際の罰則が強化されるなど象牙を扱う業者にとっては重要な法改正です→改正法の内容についてはコチラ
施行を前に、環境省と経済産業省は改正法に関連する関係する政令および省令の改正案(以下、政令・省令改正案)を発表し、これらについて2017年11月30日から翌年1月4日までの間、パブリックコメントで国民からの意見を募集しています。政令・省令改正案の中には、登録にかかる手数料や、陳列、広告時の登録番号等の表示義務の細部についても案が出されているので、印章店など象牙を扱う事業者はチェックしておいた方が良いでしょう。

登録料が値上げに。陳列用の象牙(全形)登録は早めに!

2018年6月1日を境に、象牙を扱う事業者には大きく次の3つの義務が課せられます。
①事業者登録と5年ごとの更新義務。
……現在は届出用紙を所管の窓口に提出するだけの「届出制」だが、改正後は登録申請書を提出後に審査がおこなわれる「登録制」に。申請書に虚偽記載があったり申請者が同法の拒否要件に該当する場合は登録が拒否される[改正法第33条の6]。
登録する際には登録免許税(登録免許税法に基づき1件につき9万円)と事業登録申請手数料3万3500円が必要となることが改正案で明らかになりました。また、5年ごとの更新料は3万2500円としています(※1)。
ただし、すでに現在届出業者である場合は、施行日から3年を経過する日まで登録業者とみなされるため(※2)次回の更新は平成33年で、その時に初めて3万2500円の手数料を払うことになります。

②事業者が所有する全形牙の登録義務。
……全形牙の登録義務は現行の種の保存法にもありますが、「所有する限り」という例外が設けられていました。これは将来にわたって販売、譲渡、贈呈しない全形牙は登録しなくていいということですが、改正法施行後は陳列用途(売り物ではない)であっても、持っている全ての全形牙を個体登録しないと事業登録が受けられません。この全形牙の個体登録の手数料は現在3200円ですが、6月1日以降は5000円に引き上げられます。すなわち、陳列用だからと登録していない全形牙を持っているなら6月1日までに個体登録を行っておいた方が手数料が安いので、早めに済ませた方が良いでしょう。

③象牙製品等の陳列、広告時の登録番号等の表示義務。
……改正法施行後は店頭はもちろん、広告物やインターネットの販売サイトに次の内容を表示しなければなりません。つまり、6月1日を超えて使う広告チラシやカタログを作るならあらかじめこれらの事項を印刷しておいた方が無難です。
・登録番号(すでに届出番号を有している場合は、その番号が登録番号とみなされます)
・登録業者の氏名または名称(法人の場合はその代表者の氏名)および住所
・譲渡しまたは引渡しの業務の対象とする特別特定器官等の種別
・登録の有効期間の満了の日

2009年に一時輸入された象牙の写真
2009年に一時輸入された象牙(撮影:㈱ゲンダイ出版)

他にも、カットピース(半加工材料)等であって一定の要件を満たすものを持つ際はその管理票を作成する義務や、これまで通りの取引台帳の記載義務も改正法施行後は負わねばなりません。これらに違反したり虚偽の申請をおこなうなどした場合の罰則も強化されており、違反の内容によっては懲役5年または罰金500万円等[改正法第57条の2]。法人は罰金1億円等[同第65条第1号]と厳しい罰が科せられます。同時に、登録が取り消され、5年間は再登録できなくなるため日常の商売にもダメージを受けるでしょう。
象牙取引に対する国際社会の目も厳しさを増しているので、日本国内で象牙を扱う業者はきちんとルールを守っていることを社会に示すためにも、陳列用象牙の登録や広告表示などを施行までにしっかり準備しておきましょう。新しい法律改正や、近年の象牙問題についてもっと詳しく知りたい方は、月刊「現代印章」の特集をお求め下さい。

※1……政令改正案での金額。現時点での決定していません。
※2……最初の届出をいつおこなったかによって次回の登録更新日が(a)(b)の2つに分かれる。種の保存法の施行令が改正され、それまで象牙印材メーカーなどに限られていた届出義務が問屋、小売店などに拡大された平成11年3月18日が境となる。
(a)届出日が平成11年3月17日以前の場合、施行日から1年6ヵ月を経過する日まで。
(b)届出日が平成11年3月18日以降の場合、施行日から3年を経過する日まで。

 

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